めかぶともずくのネバネバは何?ヨウ素はどこまで気にする話なのか

成分

スーパーの冷蔵コーナーでよく見かける「めかぶ」と「もずく」。どちらも独特のネバネバがあり、健康に良さそうという印象を持つ方も多いでしょう。

一方で、「海藻はヨウ素を摂りすぎる」と聞いたことがあり、食べ過ぎを心配する声もあります。

結論から言えば、めかぶはワカメの一部、もずくは別の種類の海藻です。ネバネバの正体はフコイダンやアルギン酸などの水溶性多糖類(食物繊維)で、ヨウ素も含まれますが、昆布ほど極端に多いわけではありません。通常の食事量であれば、成人が過度に心配する必要はないと考えられています。


めかぶともずくは何が違う?

めかぶ

めかぶは、ワカメの根元にある胞子葉と呼ばれる部分です。普段食べる葉の部分とは別の組織で、繁殖に関わる役割を持っています。この部分は特に粘りが強く、細かく刻んで販売されることが一般的です。つまり、めかぶは「ワカメの一部」です。

もずく

一方のもずくは、ワカメとは別の褐藻です。国内で流通している多くは「おきなわもずく」で、細長い糸状の見た目が特徴です。酢の物として食卓に並ぶことが多く、めかぶとは種類そのものが異なります。

ネバネバの正体

めかぶやもずくの粘りは、海藻が乾燥や外敵から身を守るために持つ水溶性多糖類によるものです。

代表的なのが次の2種類です。

  • フコイダン:褐藻に特徴的な硫酸化多糖で、粘りの主な成分の一つ
  • アルギン酸:ワカメや昆布などにも多く含まれる粘性のある多糖

これらは人の消化酵素ではほとんど分解されず、水溶性食物繊維として働きます。そのため、ネバネバそのものが食物繊維の一種と考えて差し支えありません。

なお、フコイダンにはさまざまな健康効果が研究されていますが、現時点で一般の食品として摂取した場合の効果について、十分な科学的根拠が確立しているとは言えません。日常の食事では、「水溶性食物繊維を含む海藻」と考えるのが適切でしょう。

食物繊維はどれくらい?

食品 エネルギー 食物繊維 ヨウ素
めかぶ(生) 14 kcal 3.4 g 390 μg
おきなわもずく 7 kcal 2.0 g 140 μg

実際には、市販のパックは30〜70g程度が一般的です。そのため、1パックで摂れる食物繊維は0.5〜2gほど。主食や野菜ほど大量に摂る食品ではありませんが、毎日の食事に水溶性食物繊維を補う小鉢としては優秀です。

ヨウ素はどこまで気にする?

ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料となる必須ミネラルです。不足しても過剰でも問題になるため、適量を摂ることが大切です。

  • 成人の耐容上限量:3,000μg/日
  • 妊婦・授乳婦:2,000μg/日

海藻の中でも昆布だけが桁違いにヨウ素を多く含みます。めかぶやもずくを通常量食べる程度であれば、成人では過度に心配する必要はありません。

昆布だけが例外的にヨウ素を多く含むという点を知っておくと、めかぶやもずくを安心して日々の食事に取り入れやすくなるでしょう。

妊娠中・授乳中は少し注意

昆布やヨウ素サプリとの重複摂取には注意し、甲状腺疾患のある方は主治医の指示を優先してください。

まとめ

  • めかぶはワカメの胞子葉、もずくは別種の海藻。
  • ネバネバの正体はフコイダンやアルギン酸などの水溶性食物繊維。
  • ヨウ素が特に多いのは昆布であり、めかぶやもずくは通常量であれば成人が過度に心配する必要はない。
  • 妊婦・授乳婦や甲状腺疾患のある方は、昆布やサプリメントによるヨウ素の摂り過ぎに注意する。

ネバネバは海藻が持つ天然の水溶性食物繊維によるものです。「体に良さそう」というイメージだけで過剰な期待をする必要も、「海藻だから危険」と避ける必要もありません。昆布だけが例外的にヨウ素を多く含むという点を知っておくと、めかぶやもずくを安心して日々の食事に取り入れやすくなるでしょう。

監修者

京都大学 農学部 食品工学科を卒業後、同大学院 農学研究科で博士号を取得。大塚製薬 佐賀栄養成分研究所 研究員、京都大学 特任助手、九州大学 特任准教授などを経て、近畿大学 産業理工学部 教授を歴任。食品成分の脳神経機能を専門とし、神経新生に関する特許も保有。

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